仏教説話

9月・毒矢のたとえ

お釈迦様が祇園精舎におられた時のことです。
マールンキャ・プッタというお弟子がお釈迦様にお尋ねしました。

「私達が住んでいるこの世界は、いつかまた無くなるのでしょうか?
また、この世界はどこまで続いているのでしょうか?端っこがあるのでしょうか?
仏様は、お亡くなりになった後でもおられるでしょうか、おられないのでしょうか?」

お釈迦様は静かにお答えになりました。

「マールンキャ・プッタよ。
例えば、毒の矢が飛んできて、あたったとしよう。
お医者様がやって来て、矢を抜き、薬をぬろうとすると、その人が
「いや、待て。この矢がどこから飛んできたのか、誰が射たのか。
その人はどんな人なのか、それがわからないうちは、矢を抜いてはいけない。」
と、言ったとする。
しかし、この人の言うようにしていると、その間に毒が体にまわって、
この人は死んでしまうだろう。
どんな時でも、今、何をしなければいけないのかを考えることが大切なのだ」
と、お教えになりました。

                                 -終-